フォト_ギャラリー

2015年12月25日 [ 第212回 ]

 ミソサザイ,キクイタダキ,余録;ルリビタキ(雄)

 

 

 ミソサザイ Winter Wren Troglodytes troglodytes

 分類:スズメ目 ミソサザイ科

 全長:10.5cm

 翼開長:15.5cm

 分布:沖縄を除く全国で留鳥。

 生息環境:平地〜山地の河川、渓流、沢など。

 食性:昆虫、蜘蛛など。

 フォトギャラリー:第108回参照 

 撮影難易度:★★★☆☆


 撮影日:2015年12月9日

 撮影時間:11時22分06秒

 シャッタースピード:1/2000秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:プログラムAE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:400

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 撮影日:2015年12月9日

 撮影時間:11時22分06秒

 シャッタースピード:1/2000秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:プログラムAE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:400

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR





 

 キクイタダキ Goldcrest Regulus regulus

 分類:スズメ目 キクイタダキ科

 全長:10.0cm

 翼開長:14.9cm

 分布:九州以北で留鳥または漂鳥。

 生息環境:平地〜山地の針葉樹林など。

 食性:昆虫、蜘蛛など。

 フォトギャラリー:第102回他参照

 撮影難易度:★★☆☆☆


 撮影日:2015年12月9日

 撮影時間:10時11分46秒

 シャッタースピード:1/320秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:プログラムAE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:400

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 昨冬このポイントで垣間見たものの撮り損ね、その後何度もかよって寒さに凍えながら連日何時間も 探鳥し続けたにもかかわらず遂に撮れずじまいに終っていたミソサザイが、今回は林の中の小道を歩 いていたらあっけなく出合いがしらに撮影出来た。 しかも林の中にたまたま直射日光が差し込んでい る部分だった。 小さいうえに落葉や地面と同じ色だから薄暗い林床に居ると松ぼっくりが転がってる みたいで 「何か動いたかな・・・」 くらいにしか見えない。 そういう所が好きな鳥で特に非繁殖期には 明るい所には滅多に出て来ないからファインダーで姿を確認するのが難しい上に、やっと撮れてもピー カンじゃないと色が出にくい困った君だ。 ご多分に漏れずカメラを構えていると出て来ず、こちらがス タンバイしていないのを見透かした様に瞬間的に姿を現す厄介な被写体だ。 そんな訳で前回フォトギ ャラリーに登場して以来3年近い月日が流れてしまった。 尾羽をこんなふうにピンと立てる仕草はミソ サザイの特徴だ。 他に似た仕草をする鳥にはカワガラスやオジロビタキなどが有る。 写真になって しまうとじっとしている様に見えるが1枚目と2枚目は連写した中の連続した2コマで、D5100のスペッ ク通り秒間4コマとすると撮影時間の差は約0.25秒(データ上は同時刻)、2枚目は茂みに飛び去る 直前の最後のカットだ。 つまりあと0.5秒遅れていたらこれらの写真も無かった訳だ。 いかに切迫 した状況下で撮影したかがお分かり頂けると思う。 「これ以上何を望むのか?」 と言わんばかりの画 が撮れても僕の事だからまた狙いに行ってしまうのだろう。 しかしそういう事をするとまたフラレて泣く のがオチだったりする。
 小さい鳥シリーズではないがこの日は証拠写真ながらキクイタダキも撮れた。 過去ログを遡ればも う少しマシな写真を載せているのだがコラムの流れでこれも掲載する。 一度でもキクイタダキを見た 事の有る人なら雰囲気が分かると思うが、見上げる様なヒノキの枝から枝へ飛び移りながら見え隠れ してあっと言う間に居なくなったので、これでさえ良く撮れたものだと我ながら思う。 写りは悪いがこれ こそが野鳥だ。 こちらもフォトギャラリーに前回登場したのは3年近く前で、当時はウグイス科だった がその後独立してキクイタダキ科になった。
 ルリビタキ雄はこのポイントでは常連さんだ (下記余録参照)。 昨シーズン撮影したものと同一個体 の可能性も有る。 ところでごく一部の撮影隊がやっているアプリなどで鳴き声を流す行為や撮影の為 の餌付けについて苦言を呈しておきたい。 見る人が見れば分かると思うがこのルリビタキもそういう 撮影隊による偽の鳴き声におびき寄せられてさえずっているところだ。 手っ取り早く撮影したいからと むやみに鳴き声を流すと周囲の野鳥たちが混乱をきたし本来の生態とは異なる不自然な姿を見せる だけではなかろうか。 餌付けも度を越すと野生を失い鳥を放し飼いしているみたいになってしまうだろ う。 食べ過ぎて腹だけが異様に膨れたオオルリを目にした事も有る。 僕は飼い鳥には全く興味が無 い。 だからこんな取って付けた様な写真が撮れても大した感動も無く虚しさしか残らない。 地道な努 力を重ねてやっと撮れた飾らない野鳥の素顔にこそ新しい発見が有り何倍もの感動や達成感が有る。  僕にとって今回の掲載写真の中でどれが一番嬉しくないのかは言うまでも無いだろう。 この撮影隊 にも大人の対応でそれとなく疑問符を投げかけて早々にその場を立ち去った。 こういう人達とはあま り仲良くなりたいとは思わないので情報を探られたが敢えて当たり障りの無い事しか教えなかった。  好き勝手に現場を荒らされて僕と同じ様に不快感を持っている野鳥ファンは少なくないと思う。 僕は  「在るがままの野鳥」 を見たいのだ。 たとえ枝などが被ってもそれが当たり前だし野鳥の習性を伝え るものならさほど気にならない。 野生本来の生態ではなく人工的に手を加えた鳥を見たければ動物 園や華鳥園に行けば良い。 初心者みたいにそんな薄っぺらい邪道にばかり励んでいる人がもしこの コラムを読んでくれたなら、そういう目で見られていると認識し進む方向を少し考え直してみては如何だ ろうかとお伝えしたい。 反論しようと思えばいくらでも反論出来るだろう。 しかしくどい様だがそもそも スタジオみたいに舞台まで設営してカメラをセットしチャンスが何度も有る様な状況を自分達で作ってし まったら知らず知らず技量が落ち、いざ本当のシャッターチャンスという時に反応が鈍ってしまうのでは ないか。 人間は一度楽な方法を知ってしまうとそれが変な癖になってなかなかそこから抜けられなくな るものだ。 どの世界についても言える事だと思うが、その先に待っているのはスランプの長いトンネル だろう。
 因みに僕はルリビタキの撮影会に見切りを付けて他所へ移動した結果冒頭のミソサザイに遭遇でき た。 後でルリビタキの現場を覗いてみたら餌を失敬されただけで空振りだったそうだ。 野鳥の方が 一枚上手だった訳でルリビタキにすれば 「してやったり」 といったところだろう。 ただし今回の結論は  「野鳥を狙うな」 という事ではない。 ミソサザイにしても全く狙っていなかった訳ではなく頭の片隅で想 定はしていた。 だからここに足が向いたのであり、たった一度のシャッターチャンスにも咄嗟に反応で きたのだ。 極意とまでは言わないが 「狙わない様に狙う」 のもバードウォッチングのコツではないだろ うか。

 カワガラス:フォトギャラリー第121回他参照
 ニシオジロビタキ:フォトギャラリー第134回参照
 ルリビタキ:フォトギャラリー第171回他参照





 余録;ルリビタキ(雄)
 上記の様な事情から本編には不採用。 このHPでは小奇麗な写真が本編を飾るとは限らないの だ。
 





 お知らせ
 イラストギャラリー:絶滅種イラスト第3弾近日公開予定!



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