フォト_ギャラリー

2015年04月05日 [ 第178回 ]

 ノスリ,トビ,余録;WARNING(ハヤブサ)

 

 ノスリ Common Buzzard Buteo buteo

 分類:タカ目 タカ科

 全長:雄52.0cm 雌57.0cm

 翼開長:122.0〜137.0cm

 分布:北海道〜四国で留鳥。その他で冬鳥。

 生息環境:平地〜亜高山の林。

 食性:小型哺乳類。

 フォトギャラリー:第1回・第43回参照

 撮影難易度:★★★☆☆


 撮影日:2015年3月20日

 撮影時間:09時49分28秒

 シャッタースピード:1/3200秒

 絞り値:F7.1

 撮影モード:プログラムAE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR





 

 

 トビ Black Kite Milvus migrans

 分類:タカ目 タカ科

 全長:雄58.5cm 雌68.5cm

 翼開長:157.0〜162.0cm

 分布:九州以北で留鳥。

 生息環境:海岸〜山地の農地など。

 食性:魚類、爬虫類、両生類、昆虫などの主に屍肉。

 フォトギャラリー:第21回・第151回参照

 撮影難易度:★☆☆☆☆


 撮影日:2015年3月17日

 撮影時間:11時16分30秒

 シャッタースピード:1/800秒

 絞り値:F16

 撮影モード:マニュアル

 焦点距離:1000mm(換算1500mm)

 ISO感度:800

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon Reflex−NIKKOR・C 1:8 f=500mm
        :Nikon Teleconverter TC−201 2×


 撮影日:2010年3月16日

 撮影時間:14時21分39秒

 シャッタースピード:1/1600秒

 絞り値:F11.2

 撮影モード:マニュアル

 焦点距離:600mm(換算900mm)

 ISO感度:1600

 撮影地:滋賀県

 使用カメラ:NIKON D40

 使用レンズ:Nikon ED AF NIKKOR 70-300mm1:4-5.6D
        :Nikon Teleconverter TC−201 2×

 自宅近くで遭遇したノスリ。 素嚢(そのう)を大きく膨らませているから満腹のはずだが未だ食べ足り ないのか水田の上空を何度かソアリングしていた。 この辺りでは冬季に見る事が圧倒的に多い。 図 鑑によれば素嚢の形態は種によって異なり、コウミスズメ類では単素嚢、ハト科は左右の複素嚢で育 雛用乳糜を分泌し雛に与え、フクロウ科には素嚢が無い。 素嚢を下ると砂嚢に続く。 砂嚢は全ての 鳥類に有り、歯の無い鳥類はここで食物を咀嚼するが全ての鳥類が砂礫を飲み込んでいる訳ではな い。 タカ科、フクロウ科、モズ科などは骨片など消化しにくいものが丸まったペリットを吐き出す。 果 実食の小鳥は大きな種子は吐き出し小さな種子は糞と一緒に排泄する。 糞が肥料になるので発芽し やすいうえに広範囲に運ばれる。
 大阪南港野鳥園ではトビが営巣しようとしていた。 自分の翼開長ほどもある長細い巣材を運んでい るところだ。 カラスが数羽モビングを仕掛けたところ、いつも一方的にやられっ放しのトビがこの時ば かりはタカ科らしいところを見せて撃退してしまった。 トビも繁殖となると必死だから 「いつもの様に手 加減はしないゾ」 といったところか。 体格で勝るんだからいつも本気を出せば良さそうなものなのに気 性がおっとりしているのだろうか。
 そんな訳でトビの2枚目の写真は猛禽類の片鱗を見せるちょっと精悍なトビの5年前琵琶湖畔で撮影 した在庫写真。


 余録;WARNING(ハヤブサ)
  

 

 「WARNING」とペイントされた何かの艦艇がたまたま背景に入って面白い絵になったので、いつか 掲載しようと温存していた在庫写真だ。 「ここにハヤブサが居るゾ!」と周囲に警戒を呼び掛けている のか、「ハヤブサが何かを警戒していますよ」 という意味なのか、捉え方によっていろんな解釈が出来 そうだ。
 2枚目も在庫写真で、急降下しているところだ。 ハヤブサが狩りをする時は上空から滑降して加速 し獲物に足から体当たりしてダメージを与えてから捕獲する(フォトギャラリー第35回・第36回・第69 回・第103回参照)。 ハヤブサの滑降時の最高速度は時速387km(フォトギャラリー第11回参照) とされ、今のところ鳥類最速記録と見られるが、飛行機からスカイダイバーと一緒に降下して人工的に 作られた状況下で計測されたものなので参考記録だろう。 通常自然界では何千メートルもの高度か ら急降下する事はまず無いと思われるし、実際の狩りを観察していると速度を出すのは獲物に追いつ く為であり体当たりの直前にハヤブサ自身が減速している様に見える。
 試しにハヤブサが時速100kmで獲物に襲い掛かった時の衝撃を知人の助言を頼りに計算してみ た。
 物体同士が衝突した時の衝撃値は以下の計算式で得られるはずだ。

 G=(v2−v1)÷t(G:衝撃値、v1:衝突前の速度、v2:衝突後の速度、t:v1からv2までに掛かる時 間)

 仮に獲物の体重が同じ1kg(カルガモ、ダイサギなど)の場合、時速100kmで獲物に体当たりしたら 衝突の直後に時速50km(秒速13.8888m)に減速するはずだ。ハヤブサが獲物に体当たりして静 止状態の獲物が時速50kmに達するのに掛かった時間を0.1秒と仮定して計算すると、

 G=(13.8888m/s−0m/s)÷0.1s

 G≒138.89N

 ハヤブサも獲物も体重は約1kgだから、その衝撃力は

 F=m×a÷g (F:衝撃力、m:質量、a:加速度、g:重力加速度)

 F=1kg×138.89N÷9.8m/s2

 F≒14.17kgf

 獲物が時速50kmに達するまでの時間は全く仮定の値だし計算式が正しいかどうかも自信は無い。  だが差し引いて考えても恐ろしい衝撃ではある。 作用反作用の法則によりハヤブサ自身も同じ衝撃 を受けるから、同じ体重の獲物の場合当たり所が悪ければ命の危険が伴うだろう。

 次にもっと小さな獲物の場合、例えば体重が10分の1の100g程度の獲物(タシギ、ヒヨドリなど)の 場合を計算してみよう。
 体重の比率が10:1なので獲物は静止状態から時速90.9090km(100km/h÷(10+1)×1 0)まで加速するはずだから獲物が受ける衝撃は、

 G=(25.2525m/s−0m/s)÷0.1s

 G≒252.52N

 F=0.1kg×252.52N÷9.8m/s2

 F≒2.58kgf

 となる。

 一方ハヤブサは時速9.0909km(100km/h÷(10+1)×1)しか減速しないので受ける衝撃 は、

 G=2.5252m/s÷0.1s

 G≒25.25N

 F=1kg×25.25N÷9.8m/s2

 F≒2.58kgf

 当然、獲物が受ける衝撃と等しくなる。この程度ならハヤブサの足が耐えられ、なおかつ獲物をノック アウトするには充分だろう。


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