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2009年08月22日 [ 第25回 ]

 イカル

 

 イカル

 分類     :スズメ目 アトリ科

 全長     :23.0cm

 翼開長    :33.0cm

 分布     :九州以北で留鳥または漂鳥。

 生息地    :平地〜山地の林など。

 食性     :草食/草木の種子など。

 DATE(撮影日) :2009年7月11日

 TIME(撮影時間) :13時46分47秒

 SHUTTER(シャッタースピード) :1/1250秒

 APERTURE(絞り値) :F11.2(絞りリングはF4)

 EXPOSURE MODE(撮影モード) :MANUAL

 FOCAL LENGTH(焦点距離) :600mm(換算900mm)

 ISO(ISO感度)   :800

 撮影難易度  :★★★☆☆ 


 一度見たら忘れられない顔だ。 この大きな嘴で堅い種も割ってしまう。 覆面をした様に顔が黒くて 目が目立たないのは、ある種のカモフラージュだろうか。 見た目のいかつさとは裏腹に、鳴き声は遠 くまでよく通る透き通った美声で、どこか呑気に口笛でも吹いている様にも聞こえる。 鳥は見掛けによ らない。

 ところで以前、野鳥に向かってオカリナを吹いている紳士を見掛けた事がある。 おそらく野鳥と合奏 しているつもりだったのだろう。 好奇心の強いのが寄って来るという期待もあったのかも知れない。  だが、人間以外の動物を擬人化するのは間違ってないだろうか。 野鳥がさえずるのは、多分口笛を 吹いている訳ではない。 人間が吹く笛も、野鳥にとっては音楽ではないだろう。 だが一方的な愛情と は言え、野鳥ファンに悪い人はいないだろうから、あまり責めないでおこう。

 鳥類の中で最も嘴が大きいのは南米に生息するオニオオハシだそうだが、先日その大きな嘴の血 流量を調節して体温を下げている事が分かったと言う。 鳥類は恒温動物だが発汗出来ないから、こ のイカルも嘴で体温調節しているのかも知れない。 この辺りでは年中見かけるから、もし同じ個体な らば暑い夏にも寒い冬にも耐えている事になる。 標高の高い所へ移動するだけでも多少は気温の上 昇に対応出来るだろうが、この大きな嘴で順応している可能性も有る訳だ。

 イカルはカワラヒワやシメなどと同じアトリ科の野鳥だ(2009年5月31日参照)。 アトリ科の中では 最大級で、ほぼムクドリ大だ。この撮影ポイントでは頻繁に見かけるものの、なかなか良いポジション に止まってくれなかった。 以前は50メートル以内には寄って来なかったが最近徐々に近づきつつあ り、この日は仲間とのせめぎ合いに夢中になって約15メートルまで接近してくれた。 わずか数秒で見 られている事に気付いて飛び去ったが、ハッと我に返った瞬間のカメラ目線(?)がこれだ。どこに目を 付けているか、お分かりだろうか。

 他の多くの野鳥と同様、狙って撮るなら追いかけ回すよりも待ち構えた方が良い。 前述の様にさえ ずりは結構遠方まで届くので、耳を澄ましていれば近付いて来るのが分かる。 一日に数回同じ場所 を巡回するらしく、居なくなってもしばらくすると大抵また戻って来るから焦る必要はない。 ただし同じ 木に止まる事は少ないので、カワセミみたいに置きピンで狙う訳にはいかない。 僕の撮影スタイルで は三脚でカメラを固定する事は無い。 その様なシチュエーションがほとんど無いし、固定してしまうと 不測の事態への対応が遅れるからだ。 カワセミでさえ毎回同じ木に止まるとは限らないのだ。 一時 フィールドスコープの購入を考えた事もあったが、あれは長尺になり過ぎて手持ち撮影には向かないと 思い断念した。 


 使用カメラ  :NIKON D40

 使用レンズ  :NIKON ED AF NIKKOR 70−300mm1:4−5.6D

      NIKON Teleconverter TC−201 2×

 撮影地    :大阪府



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