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2009年04月24日 [ 第4回 ]

 シジュウカラ(雄),ヤマガラ

 

 シジュウカラ(雄)

 分類     :スズメ目 シジュウカラ科

 全長     :15.0cm

 翼開長    :22.0cm

 分布     :全国で留鳥または漂鳥。

 生息地    :平地〜山地の林、公園など。

 食性     :雑食/昆虫、蜘蛛、木の実、種子など

 DATE(撮影日)               :2009年1月16日

 TIME(撮影時間)              :16時51分29秒

 SHUTTER(シャッタースピード)     :1/160秒

 APERTURE(絞り値)           :F11.2(絞りリングはF4)

 EXPOSURE MODE(撮影モード)    :MANUAL

 FOCAL LENGTH(焦点距離)       :600mm(換算900mm)

 ISO(ISO感度)                :3200 





 

 ヤマガラ

 分類     :スズメ目 シジュウカラ科

 全長     :14.0cm

 翼開長    :22.0cm

 分布     :全国で留鳥または漂鳥。

 生息地    :平地〜山地の林など。

食性     :雑食/昆虫、蜘蛛、種子など

 DATE(撮影日)              :2009年4月12日

 TIME(撮影時間)             :16時18分08秒

 SHUTTER(シャッタースピード)     :1/1600秒

 APERTURE(絞り値)           :F11.2(絞りリングはF4)

 EXPOSURE MODE(撮影モード)   :MANUAL

 FOCAL LENGTH(焦点距離)      :600mm(換算900mm)

 ISO(ISO感度)               :1600 


 使用カメラ  :NIKON D40

 使用レンズ  :NIKON ED AF NIKKOR 70−300mm1:4−5.6D

           NIKON Teleconverter TC−201 2×

 撮影地    :大阪府

 シジュウカラもヤマガラも、シジュウカラ科のスズメ大の小鳥だ。
 外見もどことなく似ているが、食性や生息地など習性も似ている。

 シジュウカラは市街地でも見かける事があるポピュラーな野鳥だ。 胸のネクタイが特徴で、肩から背 中にかけては黄緑色っぽい。 雌雄ほぼ同色だが、雄のネクタイは腹のあたりが太い。 警戒心は比 較的薄く、枝にじっと止まってさえずっている事が多いから、野鳥写真の入門にお薦めだ。 残念なが らこの写真は、薄暮の時間帯に無理して撮影したものなので光線の具合がいまひとつだが、過去に遡 っても似たり寄ったりの写真しか残っていない。いつでも撮れると思っているから敢えて狙って撮影する 事もないという、大阪市民が大阪城に行かないのと同様の理屈で、たまたま見かけたから押さえてお いた的な写真がほとんどだ。

 シジュウカラとの出会いは古く、20年近く前に鳥取県の別荘地で営巣を撮影して以来のつきあいだ。  この時は狙って撮ったのだが、あるイベントで鳥の巣箱作りをした時に、モデル別荘の2階の窓から 観察出来るように計算して赤松の幹に設置したところ、後日つがいが小枝を運んで営巣を開始してくれ た。 当時メインカメラとして愛用していたNIKON・F4で撮影した写真は、会社が発刊する広報誌に掲 載されて全国の顧客に配布された。 その後無事に雛が孵り巣立ってくれた。 もしかすると今もその 子孫がどこかを飛び回っているのかも知れない。

 ヤマガラを撮影した木は、入れ替わり立ち替わり野鳥が集まる不思議な木だ。
 バードウォッチャーにとって大変有難いその木には、これまでにホオジロ、ミヤマホオジロ、カシラダ カ、カワラヒワ、ヤマガラ、ツグミ、ジョウビタキ、ヒヨドリ、コゲラ、メジロが止まっている。 その「有難い 木」は畑に囲まれた人里近い丘の縁に立つ見晴らしの良さそうな木で、こちらの立ち位置が土手の下 で目立たないという絶好の位置に立っている。 写真的にも順光になりやすく、仰角になり過ぎず、背 景も空なので余計な物が写らず鳥が引き立つ。 人通りも皆無だから撮影に集中出来る。 鳥にとって も近くに逃げ込める茂みがあって好都合らしく、この木自体で採餌する鳥もいて、異種間で枝の取り合 いをするほど人気がある。 先日も短時間のうちに上記のうちの7種が止まった。 こういった撮影ポイ ントを探し出すのもバードウォッチングの楽しみのひとつで、バリエーションが多いほど観察が空振りに 終わる確率は減る。

 ヤマガラを初めて見たのは2年前にD40を購入した直後で、カメラを持って出掛けた初日に広島の 住宅地近くでメジロ、エナガ、シジュウカラと共に撮影する事が出来た。 この時も幸運に恵まれ、僅か 6分の間に4種をカメラに収める事が出来たうえに、ヤマガラとメジロのツーショットまで撮影出来た。  この4種は秋から早春にかけて混群を形成する事が多いらしいが、決して仲良しという訳ではなく外敵 から身を守る為に止むを得ず集団になっているだけで、お互いに牽制しながら付かず離れず微妙な距 離感を保っているように見える。 草食や雑食の野鳥同士が集団を組むのは、カラス程の大きさであ ればタカに対しても数的優位で戦えるという事もあるが、スズメ大の小鳥レベルでは飽くまでも外敵の 襲撃に対して発見を早め、いずれか一羽の警告で周囲の小鳥が素早く反応出来るというメリットの為 である。 よく見る混群はサギやカモで、たまたま一緒になった所を見ただけかも知れないが、これまで に千葉や広島でアオサギとコサギ、アオサギとヒドリガモ、アオサギとオカヨシガモとハクセキレイ、ダイ サギとゴイサギ、カワウとヒドリガモ、ツグミとホオジロ、ホオジロとカワラヒワ等の混群やペアを撮影し ている。

 春が来たから当然なのだが、山歩きをしていると無数の虫にまとわり付かれ、鬱陶しい思いをする。  しかし自然界で虫が果たしている役割を思うと、有り難いと言わざるを得ない。 夏になるとおびただ しい数のクワガタムシの死骸を目にする事があるが、惜しげもなく野鳥の餌食になった痕跡だ。 昆虫 は植物の受粉を助け、野鳥やカエル、小型の哺乳類などがその植物の実や昆虫などを食べる。 その 野鳥をヘビやイタチが襲い、更にそれらを猛禽類が捕食する。 食物連鎖の底辺で全てを支えている のが昆虫類という訳だ。 勿論その下には微生物や植物がいて、それらは結局動植物の死骸などが あって成り立っている世界なので、単純なピラミッド構造ではなく循環構造と言えなくもない。ところで余 談だが、ホログラフィのように立体的に輝く緑色のコガネムシがいる。 おそらく表面に微細な凹凸があ って立体的に奥行があるように見えるのだろう。 これが実に見事に猫の目の様に輝くのである。 野 鳥に捕食されないように全身で巧妙に擬態しているとしか思えない。 また、蛾の中には羽を広げると フクロウの顔のような紋様を持つものもいる。 昆虫のカモフラージュには芸術的なものが多いが、野 鳥の習性を手玉に取ったような擬態には感心する。

 今回の2枚の写真は狙って写したものではなく、たまたまそこに居たから写した物だ。 アマチュアが 最初からメインで狙う程の被写体ではない。 スナップ的に押さえで写した物だから、写真自体が迫力 に欠けるし質も良くない。 そもそも技術、機材、経験値などが劣るアマチュアがプロに勝てるとしたら、 幸運のシャッターチャンス以外に無い。 だから偶然の要素は大きなファクターではある。 その偶然を 逃さず切り取る事が出来たら、それはそれで一枚の絵になる。 そこで何か教訓を得て、次は狙って写 せば良いのだ。 そして更なる深みにはまって行く…。



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