フォト_ギャラリー

2017年05月21日 [ 第294回 ]

 ヤナギムシクイ

 

 

 ヤナギムシクイ Two-barred Warbler Phylloscopus plumbeitarsus

 分類:スズメ目 ムシクイ科

 全長:10.5cm

 翼開長:不詳

 分布:日本海側の島嶼部で極めて稀な旅鳥。

 生息環境:疎林など。

 食性:昆虫、蜘蛛などと思われる。

 フォトギャラリー:初登場

 撮影難易度:★★★★★


 撮影日:2017年5月16日

 撮影時間:14時41分38秒

 シャッタースピード:1/1600秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:400

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 撮影日:2017年5月16日

 撮影時間:14時41分42秒

 シャッタースピード:1/1600秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:絞り優先AE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:400

 撮影地:石川県

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR


 今年も毎春恒例の舳倉島撮影旅行に行って来た。 毎回期待と不安にさいなまれつつ島に渡るが今 回は期せずして超珍鳥をゲット出来た。
 ここに紹介するヤナギムシクイはプロカメラマンでさえ撮影難度が極めて高いと認める珍鳥だ。 当フ ォトギャラリーでも撮影難易度を文句無しの五ツ星とした。 そんな超A級難度の野鳥をなぜ僕ごとき素 人が撮影出来たのか今もって理解出来ないでいる。 極めて稀な旅鳥あるいは迷鳥として島嶼部にお いて稀に記録されるに過ぎないうえ、ウグイスなど比較にならないくらい滅多に藪の奥から出て来ない 習性で動きも素早い為、僕みたいな普通のアマチュアには撮影がまず無理、プロでさえ何時間もカメラ を構え続けて数枚撮影出来るかどうかという代物らしい。 その習性を現場のプロは「藪の奥50cmか ら1mの深さを見通して捉えねばならない」と表現していた。 当然得られる画像はピーカンではなく全 身が綺麗に見える事も稀だという。 従ってこんな画像が得られたのが未だに半信半疑で申し訳ないく らいだ。 当然狙って撮った訳ではなく撮影した時は翼帯が有る事からキマユムシクイかカラフトムシク イかどっちかだと思っていた(ヤナギムシクイなど全く想定外だった)。 と言うのもこの時は本土へ戻る フェリーの出航間際で乗船のリミット8分前という状況で、ある顔見知りのレンジャーがキマユムシクイ らしきを確認しようとフェリー乗り場近くの藪を観察しているところだった。 僕は残り僅かの時間をぎり ぎりまで粘って一瞬現れたその姿を何とか撮影し、急ぎ足で乗船してからモニター画像を見て頭央線 が見当たらない事から消去法でカラフトムシクイではないという判断でキマユムシクイだと思い込んでそ の日は終ったのだった。 翌朝またフェリーで島へ渡ると別の知り合いのプロが数人でその藪を観察し ていたのでキマユムシクイを見ているのだと思って声を掛けるとヤナギムシクイを観察しているのだと いう。 ややこしい事にキマユムシクイも居て僕はまたてっきり昨日撮影した奴だと早合点してしまっ た。 30分ほどその現場で頑張ってみたが余りの手強さに素人の僕には百年早いと諦めて現場を離 れ島内巡りに切り替えた。 何度か立ち寄ってみたが結局姿さえまともに見る事が出来ずに終った。  やっぱり駄目だったかと日程を終えて帰路についた僕は翌日ふと「頭央線が無いという事はキマユム シクイだと思っていたあれが実はヤナギムシクイだったのではないか?」と思い当った(キマユムシクイ には薄く頭央線が有る)。 ある所に立ち寄ってレンジャーに画像を見せるとヤナギムシクイとの判定を もらえた。 その根拠として考えられるのはまず翼帯がはっきりしている事。 これで上記の通りキマユ ムシクイ、カラフトムシクイ、ヤナギムシクイに絞られる。 なおキマユムシクイとカラフトムシクイは三列 風切の外縁が白く2本の翼帯の間と次列風切の基部が暗色。 キマユムシクイには上記の通り薄い頭 央線が有る。 カラフトムシクイには明瞭な頭央線が有り眉斑が額でつながる。 そしてヤナギムシクイ には頭央線が無い。 なおヤナギムシクイもキマユムシクイも眉斑は額でつながらないが、そのレンジ ャーによればこの画像の個体は眉斑もキマユムシクイのものとは異なるらしい。
 プロは狙って撮影するが僕は運だけで生きている。 素人の僕が同じ土俵でプロに勝てる訳が無い。  ヤナギムシクイはこの瞬間以外は深い藪の中に潜ったきり全く姿を見せなかった(少なくとも僕には 見えなかった)。 そんな被写体を見極めて撮影するなどほぼ不可能に近い。 今回はまざまざとプロ のレベルの高さを思い知らされた。


 ウグイス:フォトギャラリー第288回他参照

 キマユムシクイ:フォトギャラリー第234回他参照



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