フォト_ギャラリー

2015年06月12日 [ 第189回 ]

 フクロウ,アオバズク,イワツバメ,コゲラ

 

 フクロウ(成鳥・営巣) Ural Owl Strix uralensis

 分類:フクロウ目 フクロウ科

 全長:50.0cm

 翼開長:93.5〜102.0cm

 分布:九州以北で留鳥。

 生息環境:平地〜山地の林など。

 食性:ネズミ、鳥類、両生類、爬虫類、昆虫など。

 フォトギャラリー:第145回参照

 撮影難易度:★★★★☆


 撮影日:2015年5月15日

 撮影時間:05時02分34秒

 シャッタースピード:1/30秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:プログラムAE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:6400

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR





 

 アオバズク Brown Hawk-Owl Ninox scutulata

 分類:フクロウ目 フクロウ科

 全長:29.0cm

 翼開長:66.0〜76.5cm

 分布:九州以北で夏鳥。

 生息環境:平地〜山地の林など。

 食性:昆虫、鳥類、コウモリ、両生類など。

 フォトギャラリー:第87回・第117回・第145回参照

 撮影難易度:★★★★☆


 撮影日:2015年5月15日

 撮影時間:04時40分10秒

 シャッタースピード:1/20秒

 撮影モード:プログラムAE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:6400

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR





 

 イワツバメ(営巣) Asian House Martin Delichon dasypus

 分類:スズメ目 ツバメ科

 全長:15.0cm

 翼開長:30.0cm

 分布:九州以北で夏鳥。

 生息環境:平地から高山。

 食性:昆虫類。

 フォトギャラリー:第83回・第84回・第117回・第136回参照

 撮影難易度:★★☆☆☆


 撮影日:2015年5月3日

 撮影時間:12時19分17秒

 シャッタースピード:1/200秒

 絞り値:F5.6

 撮影モード:プログラムAE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR





 

 コゲラ Japanese Pigmy Woodpecker Dendrocopos kizuki

 分類:キツツキ目 キツツキ科

 全長:15.0cm

 翼開長:26.0cm

 分布:全国で留鳥または漂鳥。

 生息環境:平地〜山地の林など。

 食性:昆虫、蜘蛛、木の実など。

 フォトギャラリー:第6回・第171回参照

 撮影難易度:★★☆☆☆


 撮影日:2015年5月3日

 撮影時間:16時02分35秒

 シャッタースピード:1/2500秒

 絞り値:F6.3

 撮影モード:プログラムAE

 焦点距離:300mm(換算450mm)

 ISO感度:800

 撮影地:大阪府

 使用カメラ:NIKON D5100

 使用レンズ:Nikon AF−S NIKKOR55−300mm 1:4.5−5.6G ED VR

 黎明の時間帯で未だだいぶ暗く、超高感度で撮影したから画質は最悪だ。 まず最初に見えたのが ケヤキ横のお立ち台のアオバズクで、去年はフクロウが巣立ってから姿を見せた様だから今年もこの 時点で既にフクロウが巣立ってしまったかと思ったが、恐る恐るフクロウの巣を見ていたら成鳥が顔を 出してどこかへ出掛けて行った。 と言う事は雛は未だ中に居るという事だろう。 誰もが知っている通 りフクロウは夜行性だから昼間はなかなか撮影出来ない。 この営巣地でも夜の帳が降りかけた時間 帯でないと姿が見られないと言うから普通のカメラでは撮影が難しい(野鳥への悪影響の可能性を考 えるとストロボは使用出来ない)。 そこで僕は早起きして早朝撮影に臨んだ。 さすがに5月朝の5時 では僕の他には誰も居ない。 夜明け前、狙い通り撮影可能な明るさになってから成鳥が巣穴から顔 を出した瞬間を捉えた(巣穴と言っても老木ゆえ治療の為に貼られた板との隙間を樹洞代わりに利用 している様だ)。 雌が抱卵と育雛を分担し雄が雌と雛への給餌をするので、この成鳥は雄と思われ る。 亜種は北海道、南千島にエゾフクロウ、本州北部に亜種フクロウ、本州北中部にモミヤマフクロ ウ、本州中南西部、四国、九州などにキュウシュウフクロウが分布するとされるが分布域は明確ではな い。
 アオバズクはその20分以上前、肉眼では真っ黒な塊にしか見えなかったのでよく分からなかったが 撮影してみてアオバズクと分かった。 かなり無理な画像処理をしているからノイズが補正しきれない。  それでも獲物を捕まえたのかペリット(消化出来なかった骨や羽毛などの塊)を吐こうとしているの か、何か口にくわえているらしい事が分かる。 肉眼ではもちろん背景はこんなに明るくなくて、ようやく 白みかけた暗い夜空だ。 アオバズクにはこんなふうに見えているのだろうか。 なおここのアオバズク は昼間でも近い枝に止まっている事が多いのでこんな労力を費やす必要は無い。
 フクロウとアオバズクが同時に観察出来るのは野鳥ファンにとっては好都合だが喜んでばかりもおれ ない。 こうして1本の木に営巣しなければならないという事は、彼らの必要とする大木がそれだけ少な くなってしまったという事を意味しているからだ。 互いにほとんど干渉せず共存している様に見えるフ クロウとアオバズクとの微妙な関係は見た目以上に一触即発なのかも知れない。 この時の両者の様 子からフクロウの巣立ちまでのカウントダウンが始まっているのを感じた。 その後アオバズクの営巣 が始まるのでしばらくは野鳥ファンを楽しませてくれるイベントが続く事になる。
 イワツバメの巣は2年前と同じガード下で、完成済みの巣だけで11個も集積して数十羽のイワツバメ のマンションみたいになっていた(フォトギャラリー第117回参照)。 ツバメほどではないがイワツバメ も警戒心は希薄な方だ。
 コゲラも警戒心が希薄だがこの個体は特に警戒心が皆無に近く、街路樹に止まって、僕が近くを通っ ても顔の高さで割と平然としていた。 最近ほぼ同時刻にここを通るので毎回同じ1本の木で同じタイミ ングで出会う。
 なお今回のアオバズクでフォトギャラリーが累計第400話の大台に乗った。 1話で数千字に達する 事も、僅か一言に終る事も有ったが、ともかくそれだけの鳥が登場し話数を積み重ねて来た訳だ。 だ が僕にとってはこれは単なる通過点に過ぎない(既に通過した)。 自然界に特別な野鳥など存在しな いのと同様に、400話の中に特別なコラムなど無く特別な写真も無く、全てのコラムと全ての写真と全 ての鳥によって成り立っている世界なのだと思う。





 余録;三輪トラック(ダイハツミゼットMP型)
 ボコボコにメッタ打ちされたみたいな顔になってスクラップ置き場に放置されていたが、日本の高度成 長期を支えて大活躍した往時の面影は残っている。 ここに落ち着くまでにどんな一生を送ったのだろ うか…?

 


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