フォト_ギャラリー

2011年12月27日 [ 第73回 ]

 オオワシ

 

 オオワシ

 分類     :タカ目 タカ科

 全長     :雄88.0cm 雌102.0cm

 翼開長    :220.0〜245.0cm

 分布     :北海道、東北、日本海側などで冬鳥。

 生息地    :海岸、湖沼、河川など。

 食性     :肉食/魚類、鳥類、両生類、哺乳類など。

 レッドリスト :絶滅危惧U類(VU)

 指定     :天然記念物

 DATE(撮影日) :2011年12月7日

 TIME(撮影時間) :11時57分18秒

 SHUTTER(シャッタースピード) :1/160秒

 APERTURE(絞り値) :F16(絞りはF8)

 EXPOSURE MODE(撮影モード) :MANUAL

 FOCAL LENGTH(焦点距離) :1000mm(換算1500mm)

 ISO(ISO感度) :400

 撮影難易度  :★★★★☆

 使用カメラ  :NIKON D40

 使用レンズ  :NIKON Reflex−NIKKOR・C 1:8 f=500mm

 NIKON Teleconverter TC−201 2×

 撮影地    :滋賀県

 日本最大のワシタカ類、オオワシ。 2011年の「だちんこギャラリー」はオジロワシに始まってオオワ シで締める事となった(フォト_ギャラリー2011年01月05日参照)。 翼開長は2メートル超、雌は全 長1メートル以上という超大型のワシだ。 屍肉も食うが魚類や野鳥などのハンティングもするし、繁殖 地ではウサギなども捕食するとされる。 よく比較されるオジロワシの方が日本では稀少とされるが、世 界的には北半球の広範囲に分布するオジロワシよりも、極東のごく限られた範囲にしか分布しないオ オワシの方が遥かに稀少だ。 にもかかわらず撮影難易度を星5個ではなく4個としたのは、人気が有 るうえに珍しい事から却って情報が得やすく、しかも大きくて目立ち動作もゆったりしている事と、春に なるまで一度定着したエリアから余り移動しない事による。
 普段は偶然の出会いを期待してほとんど事前に情報収集しない僕も、今回はネットで得た情報を元 に最初から狙って琵琶湖へ出掛けた。 夜明け前に家を出て車を走らせ、まだ薄暗い早朝から「湖北 野鳥センター」に近い小さな漁港でカメラをセットし、ひたすら待ち続けた。 ところが待てど暮らせどオ オワシの姿は見えず、カモたちがこちらを警戒しつつ行ったり来たりしているだけだった。 上空では雷 鳴がくぐもった唸りを上げて、今にも降り出しそうな曇り空だ。 結局、昼前近くになって1隻の漁船がや って来てカモたちも一斉に飛び立ってしまった。 獲物になる可能性の有る野鳥が居なくなったので、オ オワシはここには来ないと見てその場所を諦め「湖北野鳥センター」へ行って聞いたところ、近くの山本 山という小高い丘の中腹に止まっているとの情報を得て、ようやく居場所が分かった。 この様な経緯 があって、今回の写真となった訳だ。 この日は一日中でも漁港で待つつもりだったから、もし漁船が 来なければこの写真は撮れなかっただろう。 雪の似合うイメージが強いオオワシだが、この日は丘の 麓からも良く見通せる朽木の枝に止まっていて、背景に紅葉が映えるロケーションに恵まれた。 いつ も僕は被写体を真ん中に持って来る「日の丸型」のトリミングをするが、そんな訳でこの写真は背景も 意識して敢えて右に寄せてみた。
 撮影開始から約40分後には突然湖面に向かって飛び立ち、画面からはみ出すほど間近の頭上を 通過して行った。 それまで三脚にカメラを据えて撮影していたが、三脚に固定したままではその様な 角度での撮影は無理な事を予め想定していた僕は、真上に来た時には素早く手持ちに切り替え、真下 からの撮影にも成功した。 その後「湖北野鳥センター」へ戻ってみると、正面の遥か沖合で何かを捕 食している様子が見え、だいぶ経ってからすぐ脇を通ってまた山本山方向へ飛んで行ったのだが、そ の様なチャンスに恵まれながら今度は余り良い写真は撮れなかった。 そういうイメージが出来ていな かったので、カメラを構えていなかったのだ。 こういう時はいかに想像力を働かせて野鳥の次の行動 を予測するかが撮影の成否を分けるのだと思う。
 それにしても不思議なのは、なぜ広大な琵琶湖の中でこの個体が「湖北野鳥センター」の間近を越冬 地に選んだのかという事だ。 まるで野鳥ファンが観察している事を意識しているかの様に、カメラの前 に姿を見せてくれている。 しかもこの日は一時崩れかけた天候も回復し、薄日が差すまでになった。  様々な要素が重なって撮影出来た今回の一枚。ツキに恵まれた一日だった。



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